画像引用:安倍文殊院 仏像は、静かに座り、人々が訪れるのを待っているものが多い。しかし、安倍文殊院の「渡海文殊菩薩群像(とかいもんじゅぼさつぐんぞう)」は違う。巨大な獅子に乗った文殊菩薩が、四人の脇侍を従え、雲海を渡ってこちらへ向かってくる。 その壮大な物語を、五体の仏像によって表した群像である。 安置されているのは、奈良県桜井市の安倍文殊院。大化元年(645)、左大臣となった安倍倉梯麻呂が、安倍一族の氏寺として建立した安倍寺を前身とする古刹である。 陰陽師・安倍晴明ゆかりの寺としても知られ、現在も智慧を授け、災難を除く祈祷寺として信仰を集めている。 渡海文殊菩薩群像は、獅子に乗る文殊菩薩を中…