『カリオストロの城』の本編は冒頭の4分のみ。炎のたからものが終わるオープニングまで。冒険の舞台であるカリオストロ公国に向かう旅情こそが作品の心臓であり、ロードムービー。目的地に到着するまでが浪漫。 「旅とは風景を捨てること」と言ったのは寺山修司だが、その言葉どおり、旅とは目的地に行くまでが旅である。宮﨑作品と同じく、目的地に着いてからはおまけである。カリオストロ公国に着いてからはエピローグ。 宮﨑駿はルパンを愛し、ルパンに迫り、ルパンを創生した。自分が表現したいことより借り物であるルパンの真実を見せることに集中した。 次元や五右衛門のエピソードも入れられるが、あえて存在(物語)を消すことで、逆…