わたしは、むかし 臨床心理士として仕事をしていました。 そのときの話です。 女性支援の窓口に、10代半ばの女性二人がやってきました。 彼女たちは、買い物帰りに立ち寄ったという気軽な感じでした。 けれども、相談内容は気軽なものではありませんでした。 お腹に赤ちゃん。 妊娠チェッカーで調べたそうで、病院には行っていない。 彼に話したら、音信不通になってしまった。 赤ちゃんはかわいいだろうし、産みたい。 「母子手帳をどこでもらったらいいかわからないから聞きにきた」と話していました。 もう少し事情を聞くと、彼女は自分の親とはうまくいっておらず(虐待が疑われる)、友達や知り合った人の家を転々としていると…