(詳細は→祇園祭)
京都・八坂神社の祭礼である祇園祭でおこなわれる行事で、一連の祭のうち最大の見どころの一つ。
山鉾巡行は、7月17日夕刻の行なわれる八坂神社の神幸祭(神輿渡御)に先立って、中京・下京の町衆が各町に伝わる山や鉾を曳行する行事であり、同日の午前中に市街中心部である四条通〜河原町通を巡行する。
巡行の途中では、四条堺町の関所で巡行順を定めた籤を京都市長があらためる「鬮改めの儀」や、四条通麩屋町に建てられた斎竹に張られた注連縄を長刀鉾の稚児が太刀で切り落とす「注連縄切り」などの儀礼がある。また、四条河原町・河原町御池の交差点などでおこなわれる「辻回し」も、巡行中の大きな見せ場となっている。
1965年(昭和40)まで、山鉾巡行は神幸祭のある「前の祭」(17日)と、還幸祭のある「後の祭」(24日)の2度おこなわれていた。*1「前の祭」には20基の山と鉾、「後の祭」には9基の山が巡行し、巡行コースもそれぞれ違っていた。
1956年(昭和31)以降、山鉾の巡行経路が四条通〜河原町通を北上〜御池通より各町、という現行に変更された。また1966年(昭和41)からは、前後を一本化して山鉾巡行を17日におこなうなどの方策がとられた。なお同年より、7月24日には後の祭に代わって「花傘巡行」が行われている。
(※印は、巡行順が固定化されている「鬮とらず」)
都市の祭礼―山・鉾・屋台と囃子 (京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センター研究叢書 (1))