怪談 ~なんで~ 最近、4歳になった娘がいろんなことに興味を持つようになった。「あれ、なに?」「なんで?」が口癖のように出てくる。そんな子供の成長を母親は微笑ましく思っていた。 ある日、娘と二人で電車に乗った時、後続の急行の通過を待つため駅に止まる電車内で、窓から外を眺めていた娘が母親に訊いた。「なんであの人はあそこにいるの」そう言って指をさした先は反対側ホームの下あたりの線路上だった。母親は困惑の表情を浮かべて言った。「えっと...誰もいないけど...」先ほどと同じ所を指さして再び娘は言った。「えー、いるよ、おんなのひと。でもへんなの、そのおんなのひと、あしがないの」それを聞いて思わず母親は…