怪談 ~雲~ 教室の窓際の席で、友人の徹が暗い顔をして座っている。いつもなら昼休みには周囲の友人と談笑しているはずの徹が、一人で窓の外をじっと見つめている。「どうしたんだ」俺は気になって声をかけると、徹はゆっくりとした動作で窓の外の空を指差した。「なあ、瑛士、……あれが見えるか」徹の指の先には、青空にぽっかりと浮かんだ、細長くまとまった一塊の雲があった。どこか昔の人気アニメの主人公が乗っていた雲の乗り物のようだった。「ああ。あの雲がどうかしたか」徹はさらに表情を曇らせながら、ボソッと囁くような小さな声で言った。「……俺のあとをつけてくるんだ」「えっ、なんだって」徹の言ったことの意味がわからず、…