真夏に真冬のお話なんてどうかなぁ・・・ とも思ったのですが、いいお話だし、 心の「かき氷」のような効果があって、涼しくなるかもしれませんよ。 涼しいというよりも、涼やか・・・でしょうか。 急行「北極号」・・・降りしきる雪のなかの蒸気機関車です。黒い鉄の塊は、なんて冷たそうなのでしょう。 扉を開けると・・・ サンタを待つ少年のもとにあらわれたのは、白い蒸気につつまれた謎めいた汽車。 その名は―急行「北極号」。 語り手は、大人になったぼくです。 友だちは「サンタなんて、どこにもいないんだよ」と言っていたけれど、ぼくはサンタの鈴の音が鳴り響くのを耳を澄ませて待っていたのです。 夜が更けてやって来たの…