俺は、初めての喫茶店へ入った。 よくある外観とは裏腹に、風変わりなメニューだ。 「マスター、「ジジイのジュレ」ひとつ。」 「あいよ。…生憎、俺はマスターって器じゃないんでね、よかったら大将と呼んでくれるかい」 大将はニッコリしながら、ジュレを準備してくれている。 手で握って潰しているようだ。ブリビリブチュチュツ。 「へいお待ち」 「このジュレは1日3杯限定なんだ。ラッキーだったね」 目の前に出てきたのは、薄茶色のクラッシュゼリーに、食用鼻毛が添えられたものだった。素朴だ。スプーンですくって食べてみると、麦茶味だった。 「確かにジジイみあるわ。あのツ•ルベさんも麦茶のCMしてるしな」 今日…