『万引き家族』はあかんかったけど、『怪物』はおもしろかったです。 さくさくすすんでいく前半は心理ミステリのような、身を乗り出すような物語のテンポがあって、それが徐々にこちらの思惑からずれていくという、「予想外」の快感。『銀河鉄道の夜』は初見では思い浮かばなかったが、言われてみれば納得の展開だ。 ろうそくの火のように危うく揺らめく少年たちの刹那の感情。それを描くのに、「怪物」という思わせぶりで大仰なタイトル、「豚の脳」などというぎょっとするような表現を使わなくてもよかったのでは・・・・・・と思いましたが、美しいラストシーンの余韻が後を引きました。 坂本龍一の音楽も心地よかった。いなくなったのがさ…