フランシスコ・デ・スルバラン「大アントニオス(=聖アントワーヌ)」。白いチュニックと焦茶色のスカプラリオの上に外套を羽織っている。ウィキメディア・コモンズより。 物思う家畜のごとく 砂浜に寝そべりながらはるかなる水平線に目を向ける この女たち結ばれた片手と片手 絡み合う足と足には快感のけだるさがあり 激痛のわななきがある長年にわたる思いを その胸に秘めた少女はさらさらと水の流れる叢林(そうりん)の奥に隠れて臆病な乙女心であこがれたひとの名前を刻むべく 若い盛りの新緑の木を傷つける他(た)の女子が 尼僧のごとく ゆっくりと またしめやかに歩みゆく 夢幻に満ちた岩山は 熔岩に似たむきだしの 紫色の…