一年でもっとも長く陽光が降り注ぐ頃 夜明けはあくまでも早く、夕暮れはあくまでも遅く。一年でもっとも陽のさす時間が長い『夏至』の節季がやってきた。 一年でもっとも昼が短い『冬至』から始まる二十四節季では、この『夏至』の時期を一年の折り返し点と位置づけ、「陽遁」から「陰遁」へと変わっていく時期としている。江戸期に編纂された『暦便覧』でも「陽熱至極しまた、日の長きのいたりなるを以てなり」と記され、陽の長さに注目が集まっている。 ひと言で折り返し点と言われても、現実問題として、熱気に満ちた真夏はまだ先の話。収穫したものを蓄える“陰の時期”といわれてもしっくりとこない。どちらかというとモノゴトがせめぎ合…