イリヤ・プリゴジンが提唱し、1977年のノーベル化学賞を受賞した理論。平衡状態でない開放系では、エネルギーが散逸していく流れの中で、自己組織化によって定常的な構造が生まれることを示した。
味噌汁が冷えていくときの模様や、太陽の表面で起こっているベナール対流の様相、うろこ雲など、自然界には散逸構造が多く見られる。
備忘録的につぶやきます。(※本日はよくつぶやいてますが)「人新世の「資本論」」の「第七章 脱成長コミュニズムが世界を救う」「脱成長コミュニズムの柱②-労働時間の短縮 労働時間を短縮して、生活の質を向上させる」の節に次ようのな記載があります。化石燃料の「エネルギー収支比」(EROEI)の高さである。エネルギー投資効率とも呼ばれるエネルギー収支は、一単位のエネルギーを使って何単位のエネルギーが得れれるかという指標である。原油のエネルギー収支比は、再生可能エネルギーと比較すれば各段に高い。太陽光は、一単位の投資で2.5~4.3単位ほどしか得られない。トウモロコシのエタノールはなんと1対1に近いという…
「エネルギーをめぐる旅――文明の歴史と私たちの未来」 資本主義、食料、気候変動… 「エネルギー」がわかるとこれからの世界が見えてくる! エネルギーと人類の歴史をたどり未来への道筋を描き出す。 エネルギーをめぐる旅――文明の歴史と私たちの未来 作者:古舘恒介 英治出版 Amazon 【私の思い】 まさに、資本主義の成長、食料問題、気候変動(温暖化問題)もエネルギーと言う大きなテーマで捉える必要があります。 特に、人類とエネルギーの関係、エネルギーの特性である「エネルギーの第二法則」、「散逸構造」の話は、重要です。 ※以下 目次 [第1部 量を追求する旅――エネルギーの視点から見た人類史] 第1章…
山口裕之『ひとは生命をどのように理解してきたか』(36) 今回は、第4章 機械としての生命 第4節 さまざまな力学系モデル(p.192~)である。 本節では、生命現象の「力学系モデル」として論じられてきた様々な古典的な理論の概略が説明されている。 シュレーディンガーの熱力学的考察 生命の力学系モデルは、シュレーディンガーの『生命とは何か』に由来する。 通常の物質は秩序だった構造を与えても急速に無秩序状態(熱力学的平衡状態あるいはエントロピー最大の状態)に陥ってしまう。平衡状態に陥った物質は、もはやその状態から変化しない。 生物とは、熱力学的な非平衡状態が、異常なまでに長期間維持されている系であ…
エネルギーから見たサピエンス全史 エネルギーをめぐる旅――文明の歴史と私たちの未来 作者:古舘恒介 英治出版 Amazon 「エネルギー」版のサピエンス全史。「エネルギー」を軸におくことで、リアリティが高まり、かつ知らなかった内容も多いので、サピエンス全史よりも聴きごたえがあった。 エネルギー革命の歴史、エントロピー理論、散逸構造(これは面白い)、地球温暖化と取り上げるテーマは多い。 また、著者は日本石油ーJXのサラリーマンで仕事のかたわらこれだけの本を書かれたことには敬服。 へーっと思うような歴史や科学上の事実が多く、目から鱗。ただし、こうやってレビューを書こうとすると、聴いたものは意外に頭…
要素が多数集まると、その集合体の外表面が相を成す。 例えば、水分子が集まると、液体としての水・固体としての氷ができる。 相の性質は、特に相転移の挙動を、水の場合は氷・水・水蒸気の態様の変化を、要素の性質から推し量るのはかなり難しい。 相がまた要素となり、新たな高次元の相を成す。相同士が入れ子になる事も珍しくない。 要素が人間ともなると、要素と相とが、複雑な相互作用を行う。 人間が認知している領域では、時間的・空間的に、要素と相の関係が常にある。世界が離散的なのか、要素と相の関係をして離散的と呼ぶのかは、とりあえず横へおくとして、決して連続していない。 相=形態形成は、およそ比喩の場合も含めてエ…