🌼【源氏物語656 第21帖 乙女11】梅壺の前斎宮が后におなりになった。女王の幸運に世間は驚いた。源氏が太政大臣になって、右大将が内大臣になった。そして関白の仕事を源氏はこの人に譲ったのであった。 〜皇后が冊立《さくりつ》されることになっていたが、 斎宮《さいぐう》の女御《にょご》は 母君から委託された方であるから、 自分としてはぜひこの方を 推薦しなければならないという源氏の態度であった。 御母后も内親王でいられたあとへ、 またも王氏の后《きさき》の立つことは 一方に偏したことであると批難を加える者もあった。 そうした人たちは弘徽殿《こきでん》の女御《にょご》が だれよりも早く後宮《こうき…