------講義録始め------- 古事記は元明天皇の命で712年に成立しました。これは太安万侶が記録したものです。上巻は神世の巻で、天地創造から始まり、天孫降臨し神武天皇が誕生するまでを描いています。中巻は初代の神武天皇の治世から始まり、日本各地の征伐と朝鮮半島への影響を及ぼす景行天皇までを記述しています。ヤマトタケルなどの英雄的な人物が活躍します。下巻は16代の仁徳天皇から33代の推古天皇までを扱います。古事記は日本の神話や伝承を集大成した作品として、その物語性が強いです。 これに対して8年後の720年に完成した日本書紀は、舎人親王を中心に大伴家持も含む役人たちにより編纂されました。日本…