さて、満を辞して一昨昨日の話をしよう。 と息を巻いたものの読者諸賢の期待するようなドキドキワクワクなお話ではない。こじんまりとした局所的体験談に過ぎないことは先に断っておこう。 その日は十五年来の旧友と相見することとなっていた。小学生の頃、毎日のように彼を連れ回し阿呆の限りを尽くしていた事を鮮明に覚えている。中学生に上がり別々の学校に別れた事によりかつてのように遊ぶことはなくなったが、それでも時折私のいかにも中坊らしい荒唐無稽な珍案で自転車で東京を横断したり、何の理由もなくメントスコーラなどをして遊んでいた。しかし高校生になりいよいよ疎遠になっていったころ、お互い何かしら声をかけようか考えあぐ…