去年の一月、ちょっとした用事ができてそれを果たすために列車で長岡へ行った。当地蓼科へ移り住んでから初めての遠出、本当に久しぶりのことだった。 これにより胸の奥に潜んでいた旅心が刺激されて疼き出し、元々読むのが好きで既に書棚にあった紀行全集に加え、より軽い紀行本や地球の歩き方などのガイドブックを渉猟したことは以前書いた。しばらくはそれらを読み眺めるだけでそれなりに愉しく満足していたのだけれど、今年に入り、やはり実際にどこかへ行ってみたいという気持ちが急速に高まってきた。ちょうど、手持ちの家財の一部を売却して経済的な余裕も少し生じたことから、さらに久しくご無沙汰であった、用事抜き、それ自体が目的の…