過去は現在へと繋がっている 今年、じっくり時間をかけて読み進めていた本がある。 《吉村昭「赤い人」(講談社文庫)》 北海道の歴史に関する書籍を調べている中で偶然出会った本だ。 明治時代、北海道へ送り込まれた囚人たち。 北海道の原野を開墾するという国策のもと、極寒の地で足袋も支給されず重労働を課せられた彼らと看守たちの壮絶な人間ドラマが書き記されている北海道開拓のウラ歴史ともいえる一冊。 ちなみに、「赤い人」というタイトルの由来は、囚人の着ていた獄衣が赤(朱)色だったから。 この本を読んで、北海道は囚人の犠牲によって開拓されたという事実を知らされた。 そして、舞台となった“北海道で初めてできた監…