弱者男性論の本だと思って手に取ったのだが、ケアを考える上で非常に洞察を与えられた。 父親としてヘルパーとして体験したことを考察した第三章が特に名文でこの章だけ切り取って普段から持ち歩きたいレベルである。 名文が多すぎて紹介しきれないのだが、いくつか心に残ったものを下に記す。 いつのまにか、誰かをケアしているつもりが、誰かからケアされてしまっていた。生かしているつもりが、生かされてしまっていた。そうかと思った。君たちが弱く無能であるのではなかった。「弱さ」や「障害」なんてものは、社会的な関係や構造によって勝手に作られたレッテルにすぎない、というばかりではない。この僕こそが、小さく弱きものであり、…