●歌は、「春の野にすみれ摘みにと来しわれぞ 野をなつかしみ一夜寝にける」である。 山部神社万葉歌碑(山部赤人 巻8-1424) ●歌碑は、東近江市下麻生 山部神社にある。 ●歌をみていこう。 ◆春野尓 須美礼採尓等 來師吾曽 野乎奈都可之美 一夜宿二来 (山部赤人 巻八 一四二四) ≪書き下し≫春の野にすみれ摘(つ)みにと来(こ)しわれぞ 野をなつかしみ一夜寝(ね)にける (訳)春の野に、すみれを摘もうとやってきた私は、その野の美しさに心引かれて、つい一夜を明かしてしまった。(伊藤 博 著 「万葉集 二」 角川ソフィア文庫より) (注)なつかし【懐かし】形容詞:①心が引かれる。親しみが持てる。…