●歌は、「鴨山の岩根しまける我れをかも知らにと妹が待ちつつあるらむ」である。 柿本人麻呂終焉之地碑 万葉歌碑(柿本人麻呂) ●歌碑(柿本人麻呂終焉之地碑)は、島根県邑智郡美郷町 湯抱温泉の温泉橋袂にある。 ●歌をみていこう。 ◆鴨山之 磐根之巻有 吾乎鴨 不知等妹之 待乍将有 (柿本人麻呂 巻二 二二三) ≪書き下し≫鴨山(かもやま)の岩根(いはね)しまける我(わ)れをかも知らにと妹(いも)が待ちつつあるらむ (訳)鴨山の山峡(やまかい)の岩にして行き倒れている私なのに、何も知らずに妻は私の帰りを今日か今日かと待ち焦がれていることであろうか。(「万葉集 一」 伊藤 博 著 角川ソフィア文庫より…