「人権」ほかの近代原理が確立され200年が過ぎ、また第二次世界大戦以降それらが資本主義諸国の基本価値に収まって80年、その近代原理には天動説的リジッドさが含まれました。 システム化されたそれらには当然、システム内の人々を支えるためのお金と地位が組み込まれています。 システム化は目的を逆転させ、人々が「生の尊厳」のために求めた権利は、人々の生活を保障するものへと変質します。人権は、生の尊厳から生活の保障へと薄く広く変化します。 この時、潜在化しているサバルタンという名の「声なき声」の存在が、不思議と抑圧されます。安定した生活の保障としての「人権の現在」を検証することは、システム内にある既成の人権…