弁証法とは、物の対立・矛盾を通して、その統一により一層高い境地に進む考え方だそうです。「正」に対して、その否定である「反」(アンチテーゼ)があり、それらを止揚(アウフヘーベン)して得られる更なる高い立場が「合」です。この言い方を使うなら、資本主義が「正」だとすると、ソ連・東欧圏を支配した、(狭い意味の)社会主義は、「反」(アンチテーゼ)です。ソ連・東欧圏の崩壊を契機に、アウフヘーベンして得られる「合」は、新自由主義的な、自由放任主義への昔帰りではなく、社会民主主義的な方向だと、私は考えます。アメリカ型資本主義は、資本主義の失敗例だと思います。経済成長率だけを重視する、新自由主義の下で、社会が完…