わたくしつまりNobody賞、受賞の2冊を読んだ記録。 『海をあげる』上間陽子/著(筑摩書房, 2020年) 『まとまらない言葉を生きる』荒井裕樹/著(柏書房, 2021年) 今を生きている私の尊厳を守る。 抗う。 無遠慮に踏み越えようとする力に対して、「ここに一線がある。踏むな」と全身を使って示す。 言葉で線を引く。 警告を発する。 それは相手を人間扱いしているからだ。 相手が私を人間扱いしないときでさえ。 詩人・茨木のり子の「自分の感受性くらい」を思い出す。 どうか今、本質に語りかける言葉を。 言い得ない。だから言葉を探す。 苦しみから作りだされる言葉もある。 弱々しくてもよい。 私だけは…