1933年、東京都生まれ。東京大学教養学部教養学科フランス科、東京大学大学院人文科学研究科仏語文学専攻、博士課程単位取得退学。東京大学教養学部助手、専任講師、助教授、教授、評議員を経て、1993年退官。現在、東京大学名誉教授。放送大学前副学長。フランス演劇に造詣が深く、自ら演出家も務め、1997年に演劇制作「空中庭園」を設立。
ビードロ、ぎやまん、硝子 うつせみのあなたに 山のあなたの空遠く あなた(かなた)・彼方・貴方(貴男・貴女) マラルメとうつせみ ビードロ、ぎやまん、硝子 ガラス。硝子。ビードロ。ぎやまん。 ガラスという言葉で、ビードロという言葉を思い出しました。あれもたしかガラスじゃないか――と辞書で調べてみるとポルトガル語から来ているらしいのです。 西洋の事物が日本に渡来する順では、ポルトガル語が先でオランダ語が次だと学校で習った記憶があります。キリスト教の布教と経済活動つまり交易が目的だったわけですね。 ガラスを意味する上の言葉の中では「硝子」が気に入っています。 * ガラスという意味である「ぎやまん」…