昨今の炎暑に『春秋(250628)』は思う▼「三月に五月みたいな日が、一日だけあるってのはいいな」。谷川俊太郎さんが40年前のエッセー。詩人の感性だろう▼6月に8月みたいな日が、何日もあるっていやだな。こちらは詩情のかけらもない。領土を広げ続ける盛夏が、春秋や梅雨を押しのける図を想像する▼まだ暑さに慣れぬ時期、例年にもまして警戒が要る▼今月中旬の猛暑は人為的な温暖化が要因だったと、東大と京大の研究チームが分析した。米東海岸も異常な熱波が襲う。気候変動に背を向けるかの国の指導者はさておき、まずは私たちにできる努力を続けねば。詩人に「地球の客」と題する一編がある。「いつの間にか/主人になったつもり…