東京国立博物館で「大覚寺」展を観てきました。 大覚寺は、平安初期の嵯峨天皇(786-842)の離宮を改めた寺院で、来年開創1150年を迎えるそうです。嵯峨天皇は空海、橘逸勢とともに三筆と呼ばれた書の名人でもあり、文化的で安定した治世を築いたといわれています。仏像や書は撮影不可でしたが、ありがたいことに今回の展示の目玉である障壁画は撮影可能でした。 まずはかわいらしい兎の絵が目に飛び込んできました。 「野兎図(正寝殿東狭屋の間)」部分 渡辺始興筆 江戸時代 重要文化財 渡辺始興(1683-1755)が、兎年生まれで幼くして大覚寺に入った門跡(高貴な生まれの住職)を慰めるために、屋内の縁側を飾る障…