かつては,理系と文系と大きく2つに分けられていた学問分野だが,近年は「学際的」とか「文理融合型」「分野横断型」などと言われるように両方の系統にまたがる学問領域が増えてきた。 筆者は工学系なのだが,「理工系」と呼ばれることもある。しかし,理学部と工学部では明らかに求めるものが違うと思える。 学際領域で最も変化が大きかったのがバイオテクノロジー分野だろう。元々は,理学部生物学科と農学部,そして医学部が,それぞれの対象生物(一般生物,農業・林業・畜産,ヒト)の研究をしていたが,遺伝子学の急速な発展により,共通のツール,共通の手法で研究が進んだ。 特に農学部は,従来は「作物の収穫量増加や病気耐性の向上…