日雇派遣日記 賃金奴隷な日々(日雇) (580)残念ながら留置場に比べれば賃労働の方が遥かにましだ 加藤匡通 十月×日(金) 朝、携帯電話のアラームで起きて一階に下りてすぐに家の扉が叩かれた。こんな早くに誰だろうと思ったら「警察です。」と聞こえた。五時五十五分頃のことだ。 その日から二十日間水戸警察署の留置場に閉じ込められた。 宿泊費も食費も無料と言えば聞こえはいいが、自転車操業の日雇労働者には刃物を突きつけられるのと変わらない。母の年金だけでは家賃と公共料金すら払えない。警察も検察も裁判所そういうことに関心もないし責任も感じない。令状逮捕の挙げ句に起訴しないのだからいい気なものである。建築現…