自分が(ある)病気であるという認識。 「病識がある」、とは自分がある病気であるという認識を持っている、という事。 外科や内科の病気は明らかな特徴を有するために病識を持ちやすい一方、精神疾患においては明確な判断が難しいため本人が病識を持っていない事も多いとされる(その代表として統合失調症やアルコール依存症、アルツハイマー型認知症が挙げられる)。
意思能力
統合失調症について(簡単に)。 統合失調症とは 症状 経過 治療、予後
そもそも病識の有無を患者さんの発言から単純に「ある」「なし」のように判定するものでもないです。 ioriiba.hatenablog.com そして、患者さんに病識を持ってもらうということが、本当に必要なことなのか、病識を押し付けることへの疑問も持ったほうがいいと思います。 ioriiba.hatenablog.com その上で、精神疾患における病識を患者さんに持たせる方法はあるのでしょうか。 結論から言えば、有効と言える方法は無い、ということも理解しておくのが大事なのではないかと思います。 ある程度病歴のある患者さんでは、急性期の薬物療法が奏功すると精神症状が改善し、それに伴って病識が改善す…
自分が認知症だと告げられたらどうしますか? 認めたくないですよね。 誰でもそうだと思います。 自分は常にしっかりしていて、ボケてなんかいないって思いたいです。 でも生活に支障がないと、なかなか自らが認知症にかかっているとは 思わないと思います。 身内の人、息子や娘がいれば直接本人にも言いやすかったりしますが、 全くいない人に認知症の事を言うのはなかなか大変です。 行動がおかしかったり、言っている事がつじつまが合わなかったり すると、まずは病院に行って検査をしてもらい、必要に応じて治療を しなければならなかったりします。 先日認定更新の意見書作成のための通院介助の依頼が包括からありました。 要支…
精神科医療では患者さんに病識を求めがちです。 患者さんにご自身の病気について正しく理解してもらい、マネジメントに努めてほしいと願うのは当然のことです。しかし、患者さんが病識を持たないことにも意味があるのかもしれません。 Lysaker(2018)は統合失調症の病識に関するレビューの中で、病識は抗精神病薬の受け入れや治療同盟に関連しており、病識が低いことは症状が悪化しやすいこと、社会的機能を低下させるとしています。 一方で、優れた病識は患者さんに苦痛をもたらし、幸福感を損ない、抑うつ状態をもたらす可能性があるという、いわゆる”Insight Paradox”が以前から指摘されており、多くの研究で…
過去記事にて、精神疾患、特に統合失調症における病識とは何かについて確認しました。 ioriiba.hatenablog.com 自身の何らかの変化が精神疾患に基づくと考える 精神科の治療を受け入れる 精神症状を認識できる 我々が一般的に病識と言っているものは、これら3つの独立した要素に分解され、Clinical Insightとも呼ばれています。 この病識は流動的で、時と場合によって変化することもよくあるのではないでしょうか 池淵先生のレビュー~池淵恵美(2021)「統合失調症の『病識』を再考する」精神医学(63)3 p395~414~を参考にしつつ、私見もかなり混ぜながらまとめます。 前頭葉…
あの患者さんは「病識がある」、とか「病識が無い」とかよく言われます。 「病識まではいかないけど、病感くらいはありそう」などと言うこともあります。 統合失調症が代表する内因性精神病のコントロールには治療アドヒアランスが重要な要素ですが、ここに病識というものは関係がありそうです。 しかし、「俺は病気じゃない」と言いながら長年通院して服薬はしている患者さんもいるし、「薬の大切さがよくわかりました」と言いながら巧妙に飲んだふりをして薬を捨てる患者さんもいます。 病識があるから治療をちゃんと受けるのでしょうか?、治療を受けてもらうには病識を持ってもらうことが必要でしょうか?、そもそも病識って何なんだ?、…
先日、この芸能ニュースを読みました。 news.yahoo.co.jp 同じ双極仲間(笑)として、見逃せない記事でしたよ、これ(勝手に仲間にされたくないでしょうけれど(^◇^;)。私の記憶が間違っていなければ、泰葉さん、以前も双極性障害と診断されていましたよね。でも治療している形跡もなく、どうしているか気になっていました。攻撃性が高いことが見受けられるブログを読むのは精神的に辛くなるので、泰葉さんのブログを見たことはほとんどなかったけれども、たまに破天荒な行動が面白おかしく伝えられていて・・・本人はこれが普通だと思っているから周りは大変だろうな、病気の自覚がないと怖い怖い・・・そんな印象を常に…
楽山の無理解 HSとアンチの争いには、私は関わりませんが、楽山がツイートしました。>心機一転★こも楽山@komo2664時間最近は、信者はもちろん、多くのアンチ氏らも、?氏はスルーしてたしたら、誰からも何の反応も得られなかった?氏は、昨日になってアンチ氏に咬みつき、その影響でアンチ氏から沢山反論されるようになり、今度は高所から相手を軽くあしらうポーズをとるこれが?氏のいつものパターン< たくさん批判されるようになった楽山は、批判をスルーしています。そして、高所から相手を軽くあしらうような記事を書き、批判には全然答えにならない悪口を書き、無視し続けている。これが楽山のいつものパターン。 ※ 楽山…
障害者への対応 話し合いで課題克服を(2024年4月23日『北海道新聞』-「社説」) 障害者が日常生活を送るうえで直面する障壁を取り除くため、民間事業者に「合理的配慮」を行うことを義務づける改正障害者差別解消法が4月施行された。 法改正により、これまでの行政機関などから拡大された。企業や法人にとどまらず、個人事業主や非営利団体も対象となる。障害者が参加しやすい共生社会の実現を促す契機としたい。 課題は合理的配慮の内容が一律ではないことだろう。 改正法は障害者から申し出があった場合、実施に伴う負担が過重でない範囲で、必要かつ合理的な配慮を講じることを求めている。 だが、車いすでの飲食店の利用や筆…
就寝時間:19:30 起床時間:03:58 睡眠時間:8時間28分 天気:初夏曇りのちちょい霧雨 排泄:05:15。まぁ快便 行動:すき焼き煮卵作り、ラジオ体操、挨拶運動、プール875m、KカフェBBQランチ。 体重:64,50kg 朝食:06:48。酵素玄米、納豆、辣油絹豆腐冷奴、ヌクマム生卵。 昼食:12:00頃〜。BBQ色々沢山。 夕食:17:12。ピザ、コロッケ、チョレギサラダ、三つ葉と絹豆腐の味噌汁。 よかった事:それでも泳ぐ以前と泳いだ以後で気分が一新泳いで後悔した事など唯の一度もあり得ないこの事を身体と心に決して忘れない。 学んだ事:まだまだ気分の上がり下がりがあるのは症状だと思…
衆院憲法審査会 拙速審議は慎むべきだ(2024年4月22日『北海道新聞』-「社説」) 衆院憲法審査会で今国会の論議が始まっている。 自民、公明、日本維新の会、国民民主の4党は、大規模災害や武力攻撃など緊急事態時の国会議員の任期延長を中心に、幅広い会派で早急に改憲条文案の作成作業に入るよう求めている。 これに対し、立憲民主党は自民党派閥の裏金事件が未解決だとして「自浄作用のない党が改憲を論じる正当性があるのか」と批判し、共産党は改憲自体に反対している。議論は平行線だ。 4党の側からは賛成派だけで条文案を作成し、多数決に持ち込むべきだとの声も上がる。 改憲論議を数の力で強引に推し進めるのは、国民の…
近頃は、精神疾患に関する情報がインターネットや書籍にたくさんあり 例え病気になってしまっても、冷静に対処すれば予後も良く再発もしづらいのではないかと思います。 初めて、統合失調症になったときは20年以上前で診断名もきちんとついていませんでしたが 被害妄想や、幻聴があり今考えても明らかに統合失調症でした。まだ、「精神分裂病」という名で呼ばれていた頃です。 20代の頃私が一番ダメだったなと反省していることは、病識があまりなかったことです。 どの薬を飲んでもとてもよく効いたのですぐに服薬をやめてしまったり、お金が欲しくて働き始めてしまったりしたことがあまりよくなかったと思います。 障害年金を請求すれ…
前夫・須藤正樹との離婚が成立し、めぐみと英はその呪縛から解放されたと言ってもよかろう。めぐみが「しずく」に参加して4年が過ぎた2015年、めぐみは31歳、英は10歳になっていた。由紀江と雅実は、めぐみのケアによく当たっていたが、彼女に落とされていた正樹の影の濃さについて、正しく認識し、評価するには、まだ知識も経験も未熟だったとしか言いようがなかった。正樹がめぐみに落としていた影は、英の不登校としても現象していた。 正樹との離婚が成立する前年の2014年1月、めぐみが処方薬を過剰に服薬して、病院に緊急搬送されるという事件があった。倒れていためぐみを発見したのは、無論息子の英だった。めぐみが意識を…
[http:// ここは、日本でいちばん患者が訪れる大人の発達障害診療科 [ 加藤進昌 ]価格:1,760円(税込、送料無料) (2024/4/8時点) 楽天で購入 :title] 今回は、「大人の発達障害診療科」を読みました。 発売日:2023年02月15日頃著者/編集:加藤進昌(著)出版社:プレジデント社 ざっくりこの書籍を要約すると長年、烏山病院の発達障害外来で診療を続けている加藤先生が、発達障害(特にASD)の方々への理解をふかめるための書籍です。悩める家族には力になると思いました。当事者には、問題意識を持っているのであれば読んでみるとよいでしょう。この書籍は主にASD(自閉症スペクト…
うっかり死出への旅に出ていました 陽性の方ほど、派手な自殺ではないので、陰性の自殺はもっと多そうです。 うつ病の方とかは、遺書とか、手記*1とか、周囲の人間や主治医の先生など証言から『自殺』したという事実が残りやすそうです。 統計的に見ても、うつ病の方は、ちょっと元気になって、活動的になった時に、決行するようです。 ずーっと考えてた悩みを実行に移すようですね。 抑うつ状態に近い、陰性の統合失調症も似たところがあるかもしれませんが、死ぬつもりはなかったけど結果的には死んでいたかもっていう違いはありそうです。 多分、変死や病死に近そうです。 やる気の欠如。 よく身の回りのことをかまわなくなる、とか…
あるクリニックの、ある一日。*1 30代女性。 高校生の頃からの片頭痛で、多いときには月に10回以上の発作がある。幾つかの予防薬を内服するも手応えなく、値段のことで逡巡していたが意を決してエムガルティ(片頭痛予防注射)を打ったのが先月だった。 *1:年代、性別、診療内容については適当に脚色しているので悪しからず。
知能指数テストでも作業動作が遅いまま戻らなかったので、色んな事が遅くなったと確認できた。 復帰前、自分に関わることがスローモーションに見えた。特に脚は自他共にスローモーションに見える錯視のようなことがあった。平日に公園に行っていたこともあり、いっそう時間がゆっくり流れていたことも影響したかもしれない。利き足が遅くなったということは、それに応じて様々なところが遅くなる。 また、復帰後の六連エスカレーターでは他人の胴体が切れているように見える事があった。先週は目の前の用紙の段が見えづらかった。どこに名前、どこに住所、どこに番号を書けばいいのか?のような感じだった。久しぶりに自覚して面白かった。 ま…
皆様こんにちは、轍です。季節も春らしくなってきてお花見の季節ですね。私は趣味で花道も嗜むのですが、始めたばかりでまだまだ下手くそです😁でも、お花も生き物なので、優しさを持って接する事ができれば良いなと思っています。 さて、今日は2回目の投稿です。先日サッカー日本代表のオリンピック世代の対ウクライナ戦を妻と応援しに行く機会に恵まれました。スタジアムは、海に隣接されていてとても素敵でした。ウクライナといえば、皆さんご存知の様にポストコロナが始まった頃からロシアとの戦争が始まってしまいました。日々ニュースを騒がせていますが、世界唯一の原子爆弾被爆国の日本に生きる私としては、一日でも早い停戦を願うばか…
推し活ブームの中ふと我に返ると病的になっている自分がいて、それで何度かお金と推し、買い物依存症の話などをしておりますが。 障害年金で推し活したら死ぬほどみじめになった - あさのよみもの 精神障害者が推し活・オタ活をするのはハイリスクだ - あさのよみもの 「買い物する」ことすら新たな精神疾患の元になるのか - あさのよみもの
https://www.amazon.co.jp/dp/4309624472?tag=booklogjp-item-22&linkCode=ogi&th=1&psc=1 「哲学とは何か」の中で紹介されてた書籍。 https://bc-liber.com/blogs/f38f1ad9fb15 【哲学とは何か】 こば 2024/03/26 17:48 本書のタイトルは、「医療とは何か」であり、実際に医療についての様々な思索が展開される。本書では、医療を「納得を確かめ合う言語ゲーム」の一類型として捉える(182p)。その具体例も医療従事者である私としては確かにとそうだなと思わされるものだったが、昨今…
桜の開花も近づいてきました。今年は早すぎるか、と思っていましたが、ちょうど良い塩梅になりそうです。 こうやって花の開花が気になるのは、3月、4月と仕事の行事ばかりでユーウツだからです(笑)。嫌な事ばかりだから、せめて花に心を慰めてもらう(嘆息)。●暖かくなってくると空気が翳んできます。通勤途中に富士山を見るのも、今冬はそろそろ終わり。 さすが 朝日新聞。相変わらずです。 今週の週刊文春で、自民二階派の元衆院議員で自身も政治資金の不記載が見つかった山梨県知事に『記者会見で裏金に関する質問をしないように』と要請され、朝日は唯々諾々と従ったことが報じられました。自ら声明まで出す恥知らず振りです。地元…
心療内科に行ってきました。 無事に障害者手帳の申請が通りましたということと、春先で心がザワザワして落ちつかないということを話してきました。冬季鬱はよく聞くけど春季鬱ってあるのかな。何もできないってわけじゃないけど、得体の知れない不安でずっとそわそわ落ち着かない。頭ではなくて胸の辺りに、電波の悪い所で聴いたラジオのような、ザーッというノイズがかかり続けている感じがする。 これが5月くらいになると落ち着いて元気になってくるんですけどね。去年もそんな感じで、元気になった5月〜8月に一気に発達障害の検査から診断からブログの開設までやったんでした。で、秋になるとまた元気がなくなって、冬にちょっと復活して…
私がインターネットの世界に入ったのは高校2、 3年生くらいの時だった。 それまではメールと時々通話しか使っていなかったから最初はよくわからなかった。 一番初めに使ったのはファンだったアーティストの友達募集の掲示板だった。 色々な人が募集をしていて、学校の中でしか友達が居なかった私にとって異世界のように感じた。そして何人かと連絡を取るようになり、仲良くなって手紙のやりとりもするようになった子もいた。 また、しばらくやり取りをしていた子と会う事になった時もあった。 そんな経験は勿論全く無かったから最初は少し怖かったけど、同じ歳という事もあって会ったらとても明るくていい子だったから安心して話せた。ラ…