【第3巻について (2)】 石川「この後の時代ですけど探偵小説会の土曜会が発足します。その案内を乱歩が手書きで書いています。新聞記事と対照化させて載せていて、自分の原稿と報道とが両側から見える。 戦後に行われた、戦争協力の調査票。乱歩が恐れていたのは、GHQによって執筆の機会が奪われることだったと思います。戦時中の内務省の検閲でほとんどの作品が出版停止処分になっていましたから、戦後に調査票を受け取って深く読み込んでいます。提出したものをカーボン紙で写しをとっているんですけど、それには戦時中にどういった働きをしたか書いています。大政翼賛会豊島支部事務長だから厭々やったんだとか、作家で日中に家にい…