------講義録始め------ 現代において、精神障害者の家族への支援の在り方は、脱施設化とコミュニティベースのケアシステム構築の流れの中で、大きな変化を遂げています。この変化は、精神医学と精神医療の進化、特にリカバリー志向への移行によって促されています。リカバリー志向とは、病気の有無にかかわらず、患者が人生を充実させ、社会に貢献できる有意義な役割を果たせるよう支援する考え方です。この考え方は、患者本人だけでなくその家族にも適用され、人間中心のケアを目指しています。 この文脈において、家族への専門家の支援の在り方も進化しています。従来、家族は介護提供者としての役割が強調されがちでしたが、現…