今日は遅番だった。朝、アルヴァ・ノトと坂本龍一のコラボを聴きながら大岡昇平『成城だよりIII』を読み終える。1985年の世相を閉じ込めた日記で、私自身の中にある80年代への憧れを刺激される。私の世代はロスト・ジェネレーションと呼ばれる世代で、バブル経済が華やかだった頃のことをそれなりに見知っていつつも実際のところはその後に訪れた悪夢の不景気を苦しまなければならなかった。もちろん80年代がいいことづくめというわけではなかっただろうけれど、それでもアカデミズムやポップカルチャーが華やかというか陽気にこの世の春を謳歌していた雰囲気に満ちていた時代ではなかったかと勝手に幻想を抱いている。私自身、もう少…