-----講義録始め------ まず、認知症の特徴と総合アセスメントについて見ていきましょう。認知症とは、脳に何らかの疾患が生じることで認知機能が障害され、それによって生活障害が生じる状態を指します。さらに、日常生活の失敗や不適切な環境やケアによって、不安や抑うつ、イライラや幻覚・妄想といった行動心理症状(BPSD)が生じることがあります。これにより介護が難しくなり、身体合併症が生じたり悪化したりします。これらが相互に影響し合うことで臨床像は複雑になります。その結果、社会的孤立、生活困窮、虐待、家族問題、近隣トラブルなどの社会的困難が生じ、本人と家族の生活の質が急速に悪化するのが認知症の本質…