よく晴れた五月の朝。 珍しく電話がなった。 実家からだ。 「めずらしい」 電話に出ると母だった。 「あんまりいい知らせじゃないんだわ」 そうだろうな、と思う。 母は「THE わきまえる人」なので 休みの日の朝から電話を鳴らす などということは してきたためしがない。 「どうしたの?」 そう返しつつも わたしは最近の母の話から てっきり”叔父の訃報”では? と当たりをつけていた。 叔父はここ数年 患っており いまや妻以外とは 誰とも自宅で会うことをしない。 自宅に籠りっきりの生活で それは「耐性が理由」だそうで お蔭で従妹たちは それが夏だろうが冬だろうが 実家に帰ったら庭先での面会 という状態…