文化の日は、毎年11月3日に定められている国民の祝日である。趣旨は「自由と平和を愛し、文化をすすめる日」とされ、日本の戦後社会における新しい価値観の象徴として位置づけられている。その制定の背景をたどると、明治時代にまで遡ることができる。 もともと11月3日は、明治天皇の誕生日であった。明治期にはこの日を「天長節」と呼び、国をあげて祝う日とされていた。明治天皇が崩御したのち、昭和期に入り、この日は「明治節」と名を改め、明治時代の近代化とその精神をしのぶ日として続けられた。つまり、11月3日は戦前から国民にとって特別な意味をもつ日であり、近代国家としての日本の歩みと深く結びついていたのである。 し…