日本には古来より、 年の初めに雪の間から芽を出した若菜を摘み、 自然界から新しい生命力をいただく 「若菜摘み」という風習がありました。 明日よりは 春菜採まむと 標めしのに 昨日も今日も 雪はふりつつ 山部赤人 「若菜摘み」の様子は 『古今和歌集』にも有名な一首があります。 きみがため 春の野にいでて 若菜つむ わが衣手に 雪はふりつつ あなたに差し上げようと思って春の野に出て若菜を摘んでいると私の袖にはしきりに雪が降りかかってきます。 この和歌からも伺えるように、「若菜摘み」が 労力と手間を要するものであったと同時に、 非常に特別な行事であったことが伺えます。 そうして摘んだ若菜は、 6日の…