ほしおさん最新長編。最近は文庫の作品ばかりでしたが、これは珍しく単行本。 母親が亡くなり、生きる意味を見い出せなくなった無気力な女性が主人公。この 説明だけで、内容暗めなのがわかりますよね^^;シングルマザーの母親に女手 ひとつで育てられた槐。母親からは、とにかく勉強だけはしっかりして、いい大学 に入って、『何者かになること』を求められてきた。その母が亡くなったことで、 槐は生きる指標を失ってしまった。その上、コロナ禍で仕事も失ってしまう。そんな 槐に手を差し伸べてくれたのは、川越で染色工房を営む叔母の伊予子だった。槐は、 叔母の染色の仕事を手伝う代わりに、川越の家に居候させてもらうことになっ…