自慢ではないが、私はミーハーな人間である。 この時期にハン・ガンさんの作品を読むというのは、当然ながらノーベル賞受賞の報せがあったからであり、まんまとそれに乗せられたのだ。 正直なところ、私はあまり韓国文学というものに明るくない。というよりも、日本を除いたアジア圏の近代文学というものに疎い。まともに読んだことがあるのは、莫言さんの「赤い高粱」くらいのもので、それもノーベル文学賞の受賞が切っ掛けだった。ミーハーとしての面目躍如というか、俗物であることへの一貫性は、最早誇らしいくらいである。そんな訳で、この「すべての、白いものたちの」は、私にとって初めての韓国文学である。 ちなみにであるが、「すべ…