警察署の緊迫、そして凍結された口座。「振込詐欺救済法」という名の長い待合室。 「52万円を振り込めば、総額100万円を即座に返金する」 スマートフォンの画面に並んだその冷徹な文字を見た瞬間、俺を包んでいた霧は完全に晴れた。と同時に、押し寄せてきたのは激しい後悔と、自分のあまりの不甲斐なさに対する怒りだった。 しかし、管理職として、日頃から現場のトラブルや緊急事態への対応を統括している俺の身体には、ある種の条件反射が染み付いていたらしい。 「落ち込んでいる場合じゃない。1分1秒でも早く動かなければ、あの24万円は海の向こうへ消える」 感情を無理やり押し殺し、俺は即座に「被害を最小限に食い止めるた…