西湖畔に生きる

今年は中国映画を観る機会が増えたな。 「西湖畔に生きる」 映画.com 中国茶の生産地である西湖に住む母タイホアと息子ムーリエン。父は１０年前に行方不明になっており、タイホアは茶摘みの仕事をして息子を育て大学まで行かせているが、ムーリエンはなかなか定職に就けない。タイホアは茶畑の主人チェンと懇意になり再婚を考えるようになるが、チェンの母親に反対され茶畑から追い出されてしまう。やがてタイホアは一緒に茶畑を辞めた友人の誘いでビジネスを始めるのだが、それはマルチ商法の類であり、違法性に気付いたムーリエンは母親にビジネスから手を引くように説得するのだが… 釈迦の十大弟子の一人目連が地獄に落ちた母親を救…

現代の寓話になる小川絵梨子演出『ピローマン』 numero.jp 「 〜作家である弟が紡ぎだす童話は、ファンタジーでありながら悪夢のような内容。人によってはグロテスクにも感じる話に向き合ううち、観客はなぜその物語が生まれたのか、という問いにたどり着く。見て爽快！というタイプの芝居ではない。だが、観客はある居心地の悪さを感じながらも、帰りの電車の中や帰宅後も何度となくこの物語を脳の中で反芻してしまうだろう。」Text：Reiko Nakamuraさん ↑ わかる〜。 これなのよー。と思いました。 帰宅したら「悲劇喜劇」が届いているはず！ 🧸初日へカウントダウンラストはカトゥリアン役の成河くん 【…

中国本土に行ったことは一度も無いが、今も山水画のような美しく壮大で自然の境目で溶け込むように生きて生活する現代人がいるようだ。 西湖畔に生きるという映画にはそんな美しい土地で暮らす人がひょんなことから足を踏み外して現代的な社会問題に巻き込まれてしまう。 太古からの自然と現代の人間の欲望が強烈なコントラストで描かれている。 昔のお伽噺のような世界と近代社会の犯罪的なビジネス、一つの国に極端な世界があることは、あらゆることで果てしなく広い国ということなのだろう。 素直で純粋な人や経済的破綻に追い込まれた人達が、何かに縋り付くようにマルチ商法にハマってしまい、家族が助けようと必死になってもその強い洗…

「西湖畔（せいこはん）に生きる」2024年9月29日（日）新宿シネマカリテにて。午後3時10分より鑑賞（スクリーン2/A-3） ～山水画のように美しい大自然の映像とマルチ商法の激烈な映像 中国の若手監督グー・シャオガンの「春江水暖～しゅんこうすいだん」は鮮烈な映画だった。変わりゆく中国社会に翻弄される家族を描いたドラマなのだが、その背景に使われる風景をとらえたカメラワークが流麗でまるで山水画のようだった。特に10分近い長回しの水泳シーンは圧巻だった。 そのシャオガン監督の長編第2作が「西湖畔（せいこはん）に生きる」だ。本作は釈迦の十大弟子の1人・目連が地獄に堕ちた母を救う仏教故事「目連救母」に…

第36回東京国際映画祭が2023年10月23日（月）～11月1日（水）まで東京日比谷にて開催され、コンペティション部門で映画『西湖畔に生きる』が公開された。全115分。 ワールドプレミアでもあり、中国でも上映されていない中、日本で初公開なのだ。アニメ『天官賜福 貳』と言い、なんだかそういうのが増えているね。