高いところ、地中や水中深いところ、狭いところ、足場の悪い危険なところで仕事をなさるかたには、無条件で尊敬の念が湧く。 小雨もようの日、二日間にわたって拙宅前からほど近くで作業をなさる二人組があった。設営であれ清掃であれ処理であれ、とかく作業というものを見学するのが昔から好きで、通りしなについ立ち停まって眺め入ったりすることも多い。 作業分野にもよろうが、当方が幼児少年であった時分には、概して作業員さんがたも笑顔がちで、なんなら説明してあげようか、と云い出しそうなほど優しかった。当時はまだ近所にもあった、木工所や鉄工所や瓦製造工場の職工さんがたも同様だ。きっと踏切り脇で必死に手を振る幼児のために…