●歌は、「畏みと告らずありしをみ越道の手向けに立ちて妹が名告りつ」である。 万葉歌碑を訪ねて(その1389)万葉歌碑(中臣宅守) ●歌碑は、福井県越前市 万葉ロマンの道(8)にある。 ●歌をみてみよう。 ◆加思故美等 能良受安里思乎 美故之治能 多武氣尓多知弖 伊毛我名能里都 (中臣宅守 巻十五 三七三〇) ≪書き下し≫畏(かしこみ)みと告(の)らずありしをみ越道(こしぢ)の手向(たむ)けに立ちて妹が名告(の)りつ (訳)恐れはばかってずっと口に出さずにいたのに、越の国へと越えて行く道のこの手向けの山に立って、とうとうあの人の名を口に出してしまった。(同上) (注)畏みと告らずありしを:謹慎の…