「インバウンド関連株は、もう上がりきってしまったのではないか?」最近よく耳にする言葉です。確かに、円安を追い風に観光地の賑わいが報じられ、関連銘柄の株価は大きく上昇しました。しかし、この巨大なテーマを「円安メリット」という一言で片付け、表層的な値動きだけで判断するのは、あまりにも早計です。 今、日本のインバウンド市場で起きているのは、単なる景気回復ではありません。それは、消費の主役、お金の使われ方、そして日本を訪れる人々の顔ぶれまでが根底から変わる「構造的地殻変動」です。2024年のインバウンド消費額は、訪日客数がコロナ禍前をわずかに上回る程度にもかかわらず、金額ベースでは2019年の4.8兆…