1954年静岡市生まれ。上智大学文学部英文科卒業。外資系企業勤務を経て、向田邦子氏、橋田壽賀子氏、山田洋次氏などのドラマ台本の小説化や翻訳などを手がけた後、作家活動に入る。 1996年『眩惑』でデビューし、2002年『あくじゃれ瓢六』で直木賞候補に。 2003年『其の一日』で吉川英治文学新人賞を受賞。 (『日経4946File』2007年5月号のプロフィール欄より転載)
お鳥見女房(新潮文庫) 作者:諸田玲子 新潮社 Amazon 今宵の勝負、わたくしが預かります。 千客万来 御鳥見、鷹のえさになる鳥を探す役職。裏の仕事がありそうな。。? 女の手合わせ。 武家の子とは思えない源太夫のこども5人。 珠世のみごとな采配。 柘榴の絵馬 灸花(やいとばな)のような源太夫一家。くさいけど、きれいな花が咲く。珠世もなかなか言うねぇ。 柘榴の味、よく聞くけどほんと?神話的な感じ? 恋猫奔る 味噌と醤油はなくなったら買えばいい。一度むすばれたご縁はたいせつに。いい人よ、珠世。 ああ、三角関係。 雨小僧 しゃぼん玉売り。 雨漏り。 幽霊坂の女 鷹は生きてる獲物のほうが好き。 針…
★ 末國善己さんが、末國善己編『夫婦商売』(時代小説アンソロジー、角川文庫)の「解説」をお書きになりました。 ・『夫婦商売』、角川書店、2022年3月25日発行、本体640円+税 夫婦商売 時代小説アンソロジー (角川文庫) 作者:青山 文平,宇江佐 真理,澤田 瞳子,諸田 玲子,山本 一力,山本 兼一 KADOKAWA Amazon ・角川書店のHPも、ご覧ください。 www.kadokawa.co.jp
1.奸婦にあらず 奸婦にあらず (角川文庫) 作者:諸田 玲子 KADOKAWA Amazon 新田次郎文学賞受賞の傑作。村山たかを主人公・主な登場人物として描いた作品は 他にも徳永 真一郎さん著「影の大老」がありますが、私は諸田玲子さんが描く村山 たかのほうが好きですね。登場人物の描き方も本作のほうがより魅力的です。 井伊直弼を愛した日本初といわれる女スパイを描いた作品です。 2.明智左馬助の恋 明智左馬助の恋 作者:加藤 廣 日本経済新聞出版 Amazon 個人的には加藤廣さんの最高傑作だと考えております。あまり歴史上も着目されな い明智左馬助を主人公にし、妻との愛を描いた歴史小説傑作です…
秋月黒田藩の儒者、原古処の娘みちが、女だてらに活躍する痛快時代小説。 秋月黒田藩は本家である福岡黒田藩に首根っこを押さえられ、本家派の佞臣たちに藩を牛耳られている。本家からの独立の気概を持った嗣子は不審な死を遂げ、江戸に滞在する藩主は安否不明という有り様。 誠実な儒者であった原古処は冷遇されたまま亡くなり、嫡男は病で療養中だが、気概は衰えておらず、妹みちに男装させ、藩の危機を救うべく密命を与えるのだった。 みちは大柄な女性で、学問を好み、剣も達者で大酒飲みという女傑。弟になりすまして京へ江戸へと旅をしながら使命を果たそうとする。 あちこちに危機が待ち構え、敵か味方か分からぬような怪しい輩と同行…
ここからは、徳川家康にまつわる人物や戦いの20選になります。 *Amazonより 【あらすじ】 東海の覇王、今川義元の治世下。山の峰が丸ごと吐いたかのような、月が美しく見える吐月峰(とげっぽう)。京の連歌師宗長が庵を築き、その後僧侶の宗物が世捨人の暮らしをしていたが、宗物はかくまっていた姉弟を世に出すために、義元の重臣関口親永に託す。親永は先年瀬名姫という娘を授かったこともあり、従者として預かることにした。 瀬名姫が成長すると、その美しさは今川家中でも評判となる。従兄弟で幼馴染みの、国主の嫡子今川氏真に嫁ぐとも噂されたが、氏真は北条家から正室を迎えることが決まる。ならばと家中から嫁入りの申出が…
日経新聞の連載小説は作家・辻原登さんの「陥穽 陸奥宗光の青春」が終わり作家・諸田玲子さんの「登山大名」が始まっている。 挿し絵 諸田さんは多作の歴史小説家であることはよく知っているがこれまでその作品は読んだことがなく、初めての出会いであり興味をもって毎日欠かさず読んでいる。 まだまだどのような成り行きになるのか読めないが、主人公は豊後国(ぶんごのくに・大分県)岡藩三代目・中川久清(なかがわひさきよ)で、「作者の言葉」を読むと、久清は九重連山のひとつ大船山を愛し何度も登山し山中に墓もあるとのことで、ここから話が膨らんで行くのだろうと想像している。 この小説のお蔭で過去の関連した史実など幾つかのこ…
「あなたに私を殺めるなどできるはずもない」 微かな笑みを浮かべてかすみは出て行った。まさに拈華微笑(ねんげみしょう)であった。 なみだあめ<哀愁> 時代小説傑作選 (PHP文芸文庫) 作者:宮部 みゆき,諸田 玲子,志川 節子,梓澤 要,馳月 基矢,高瀬 乃一 PHP研究所 Amazon えどめぐり <名所>時代小説傑作選 (PHP文芸文庫) 作者:宮部 みゆき,朝井 まかて,田牧 大和,宮本 紀子,篠 綾子 PHP研究所 Amazon 承前 「いきなり何を云う…妹などと、狂ってしまったか」 かすみとて逃げ出すのを忘れていた。 「この護り袋が何よりの証。まぁ聞け、かすみ」 「かすみなどではない…
本日の夕方から天気が崩れるとの予報。急遽、自然が無いと思われる都心に自然を求めて訪れました。園芸品種ばかりのようですが、隅には野草が頑張っています。小さいですが、ビオトープも設置され、区民の皆さんに自然に触れられる機会を提供しています。定番のナズナ、ホトケノザ、フキノトウが見られました。ハクモクレンの蕾が大きくなり始めています。今日の様子です。 (↑上の写真)左=公園から見上げた都庁第一、第二本庁舎。中=彫刻「瞭(りょう」。右=「新宿白糸の滝」(人の高さの左右に広がる滝) (↑上の写真)左=管理棟前の花壇。中=ポピー、右=ルピナス ルピナスはマメ科ルピナス属。地中海沿岸地方と南北アメリカ、南ア…
坂の上の雲 二司馬遼太郎文藝春秋2004年4月10日 新装版第一刷発行 『坂の上の雲 一』の続き。 megureca.hatenablog.com 一では、病気をおして子規がむりやり従軍して戦地に行ったところで終了。日清戦争である。 目次須磨の灯渡米米西戦争子規庵列強十七夜権兵衛のこと外交風雲開戦へあとがき 感想。あぁ、、、確かに、司馬歴史観なのだよな。。。二巻では、日清戦争から日露戦争にむけて世界の動きの話が中心。秋山兄弟の話の色は薄い。子規はついに没する。好古の話があまり出てこなくて、貞之が海軍にとって貴重な人材に育っていく様子が綴られる。 佐藤優さんは、司馬遼太郎の『坂の上の雲』でロシア…
日経新聞朝刊で連載されていた、辻原登さんの小説「陥穽 陸奥宗光の青春」が、1月31日で最終回を迎えました。 幕末の志士であり、明治の政治家である陸奥宗光の半生を描いた伝記小説。国が大きく動き、その姿を変えていき……大勢の人々の思想や思惑がぶつかりあった、正に激動の時代と呼べる幕末・明治。その時代を生きた人間の物語として、大変面白かったです。 学生の頃は幕末に関する本もいろいろ読みましたが、最近はあまり目を通していないので……改めてこの時代について、勉強しなおしたいなぁと思ったりもしました。 2月1日からは、諸田玲子さんの「登山大名」が連載されています。以前連載されていた「奸婦にあらず」も面白か…
▲日経新聞に連載されている『登山大名』の挿絵。担当は画家の安里英晴さん。 信じられない光景に唖然! 週末の土曜日にテレビで偶然、とても貴重な映像を見た。それは、作ったばかりの新品の新幹線を真夜中に輸送しているところで、俄かにはとても信じられない光景だった。新幹線のシャープな顔が付いている車両を台車に乗せて、街中を走行している様子はまさに必見だ。そもそも、あんなに大きな、というか長さのある物を、一体全体どうやって運ぶのだろうか。直線ならまだしも、交差点では曲がらなければならないのに。はたして、そんなことが可能なのだろうか、などと素人的な考えで見ていたら、心配はいらなかった。交差点の幅、ギリギリの…
1.フリアとシナリオライター(マリオ・バルガス=リョサ) ラテンアメリカを代表するノーベル文学賞受賞作家が1977年に発表した本書は、半自伝的な青春小説であるとともに、スラップスティック濃度の濃いコメディタッチの作品です。まだ大学生の身でありながら、ラジオ局の報道原稿を書いていたマリオは、天才シナリオライターのペドロ・カマーチョが生み出す奇想天外なラジオドラマと、16歳も年上で出戻りの義理の叔母フリアに魅了されてしいまいました。それから幾年も経た後、著者はどのような思いで過ぎ去った青年時代の熱狂を描いたのでしょう。 2.ルクレツィアの肖像(マギー・オファーレル) 初代トスカーナ大公のコジモ・デ…
帰蝶【電子書籍】[ 諸田玲子 ]価格: 790 円楽天で詳細を見る 【あらすじ】 「美濃のマムシ」と呼ばれた斎藤道三の娘で、織田信長に嫁いできた帰蝶。ところが帰蝶は信長との間には子が恵まれなかった。顔に痘痕もあり引っ込み思案の帰蝶は、妻の立場をお鍋に託し、自分は御台所として奥方に回り、側室が生んだ信長の子を育てる。中でも異母妹が産んだ長男の信忠を可愛がる。信忠は斎藤道三の孫にあたり、織田家中における「美濃衆」を束ねる正当な後継者の立場にあった。 帰蝶は清須城下の屋敷で、信長と帰蝶の仲立ちもした、朝廷の禁裏御倉職に就く豪商の立入宗継と出会う。市井の事情に通じた宗継との会話は楽しく、宗継も織田家の…
昨年の秋は、西陣 興聖寺秋の特別公開に行きました。こういった拝観寺院へ行くことは最近はほとんど無かったけど、久しぶりに。以前からこのもみじの参道を外から見て紅葉がきれいな寺だとは知っていたのですが、観光寺院でないため、数年前くらいから門を閉ざされてることが多かったように思います。たまたま、自分が通る時がそうだったのかもしれませんが。 そういったことで、ここが紅葉がきれいなお寺で、名は興聖寺というのは知っていたけど、古田織部が建てたというのは知りませんでした。それを知ったのは京都新聞に昨年連載されていた新聞小説「織部の妻」諸田玲子(著)。京都新聞以外の地方新聞でも連載されていたかもしれません。 …
240119 年末年始に読んだ本 忘れないうちに記録に残しておきます。 ★狸穴あいあい坂(シリーズ4冊) 諸田玲子さんの作品では「お鳥見女房」の大ファンでした。しばらくチェックしていなかったのですが、またシリーズが刊行されたようでまとめ読み。まずまずかな~~。主人公がまだ娘さんなのでいろいろと浅い、、、どうせこの二人が結婚するんでしょ~~と思っていたら。。。大変なんだね、江戸時代って、、、 ★はなごよみ<草花> 時代小説傑作選 アンソロジー、時々読みますけど、「すごくよかった!!」という本はないですね。この本は、シリーズものから多く選定されていて、私の好きな「お鳥見女房」からも選ばれていました…
今年読んだ本。本は大体が通勤の電車でしか読まないけど、再読のあきない世傳は面白くて寝る前にもせっせと読んだ。 今年一番面白かった本は何かな。一番最近読んだのでやっぱり「少女パレアナ」かな。最初のうちは「赤毛のアン」に似ていると思いつつ読んでいたけど、この本にはこの本のいいところがある。 --- エレナ・ポーター 村岡花子訳:少女パレアナ原田マハ:風神雷神(上)朝井まかて:輪舞曲原田マハ:小説 星守る犬畠中恵:こいしり原田マハ:さいはての彼女原田マハ:ハグとナガラ原田マハ:スイート・ホーム髙田郁:あきない世傳 金と銀 十三 大海篇髙田郁:あきない世傳 金と銀 十二 出帆篇髙田郁:あきない世傳 金…
男達の喉を切り裂いて血の海に沈めてやりたい。だが、心はこれ程に憎みながら拒めない己の躰こそ九にも八にも切り裂いて七里之濱に沈めたい。 朝日文庫時代小説アンソロジー『悲恋』 思慕・恋情編 作者:細谷正充,池波正太郎,南條範夫,北重人,山本周五郎,諸田玲子,澤田ふじ子,安西篤子 朝日新聞出版 Amazon 永亨十二年(1440)九月 鎌倉山之内 上杉邸 「俺はいつも兄貴の陰になる」 関東管領上杉兵庫頭清方は、全てに苛立っていた。その苛立ちは、昨日今日の苛立ちではない。 「俺の苛立ちはあの時からだ…」 清方は、寝間の上に胡座をかき、眼前の寝酒を徳利で呷る。 上杉憲実、清方兄弟は、関東管領山内上杉家の…
『包丁一式、質に入れるのがだめで、こつこつ貯めた金子なら使ってもいいなんて、誰が決めたんです』 ホンマソレ…。 『おのれの浅はかさゆえに二人が死に、今また佐吉も死のうとしている。御内儀の余生こそ、地獄じゃないかね』 とも言えるし、それでも命があってこそとも思う。 ねこだまり 〈猫〉時代小説傑作選 (PHP文芸文庫) 作者:宮部 みゆき,諸田 玲子,田牧 大和,折口 真喜子,森川 楓子,西條 奈加 PHP研究所 Amazon
いつも通りの夜だったのに 何故か午前0時に覚醒してしまった。 トイレに行きたいわけでもないのに。 なんだか暑くて寝苦しい。寒いのに。 熱はない。 いつも通り、深夜読書を始める。 30分以内に眠くなるはずだ。 しかし、眠気が訪れて灯りを消すが また、覚醒。 また読書。 これを何回も繰り返しているうちに 白々としてきてしまった。 2時間くらい寝ただろうか。 かなり気分が悪い。 読書量だけが増えていく。 本でも読まないと、ネガティヴ思考の泥沼ループに入っていくことを学習しているから 本は枕元に欠かせない。 作家さんと出版社には悪いが、図書館常連です。 西條奈可、澤田瞳子、諸田玲子、朝井まかて、宮部み…