訓読 >>> 346夜(よる)光る玉といふとも酒飲みて心を遣(や)るにあに及(し)かめやも 347世間(よのなか)の遊びの道に冷(すず)しくは酔(ゑ)ひ泣きするにあるべくあるらし 348この世にし楽しくあらば来(こ)む世には虫に鳥にも我れはなりなむ 349生ける者つひにも死ぬるものにあれば今ある間(ほど)は楽しくをあらな 350黙然(もだ)居(を)りて賢(さか)しらするは酒飲みて酔(ゑ)ひ泣きするになほ如(し)かずけり 要旨 >>> 〈346〉たとえ夜光る玉であっても、酒を飲んで憂さを晴らすことにかなうものはない。 〈347〉世の中のさまざまな風雅の道に心楽しむことができないのなら、酒に酔い泣…