僕達は日常的にいくつもの世界(タイムライン)を 行き来しているのだ、と兄貴は言う。 会社で同僚と仕事をしている時の世界、 ひとり家で小説を書いている時の世界、 家族といる時の世界、 友人と酒を飲んでいる時の世界、 それぞれの世界にいる自分は、場所だけでなく、 話し方、立ち居振る舞い、表情、性格など、 何から何まで違っている。 そう考えると、普段から自分は、無意識のうちに、 いくつもの違う自分の世界を行き来している ことになる。 異なる場面として存在するいくつもの世界は、 周波数が異なる独立した別個の宇宙である、 と〝彼〟(兄貴)は僕に説明した。 しかし普段の僕たちは、これらいくつもの世界を、 …