(あと一人……) 一人は扉が開いた瞬間に押し倒すことに成功した。背中を強打して、そのダメージはいまだ抜けきってない。そしてもう一人は手近にあった枝葉で目を狙う事でダメージをあたえた。それは良い判断だったと少年は思ってる。 だって自分の細腕では大人に大したダメージ与えることはできないと思ったからだ。いくら運動に自信があったとしても、大人と子供の違いは大きい。これがもし高校生、せめて中学生ならまだ正面からだって立ち向かう算段は出来たかもしれない。 けど少年は小学生だった。しかもまだ小学生も半分くらいである。全然たりない。大人を負かせる……とは思えなかった。 ここまではとてもうまくいった。でもあと一…