●歌は、 「我妹子に恋ふるに我れはたまきはる短き命も惜しけくもなし」(巻十五 三七四四) 「天地の神なきものにあらばこそ我が思ふ妹に逢はず死にせめ」(巻十五 三七四〇) 「命あらば逢ふこともあらむ我がゆゑにはだな思ひそ命だに経ば」(巻十五 三七四五) 「天地の底ひのうちに我がごとく君に恋ふらぬ人はさねあらじ」(巻十五 三七五〇)である。 福井県越前市 小丸城址万葉歌碑(中臣宅守・狭野弟上娘子) ●歌碑は、福井県越前市 小丸城址にある。 ●歌をみていこう。 まず三七四四歌からである。 ◆和伎毛故尓 古布流尓安礼波 多麻吉波流 美自可伎伊能知毛 乎之家久母奈思 (中臣宅守 巻十五 三七四四) ≪書…