子供のころ、東海道線を走行中の電車(当時は皆「湘南電車」と呼んでいたが、いまはその呼び方はほとんど聞かなくなった)の窓から、すぐ隣に敷かれている線路を見ていると、枕木を見極めることは出来ないが、ものすごく早く左から右へと眼球を動かして視線を振ると、後ろに飛んでいく枕木と視線の移動速度が合致して、一瞬だけ枕木が見える。それに気が付いてから、何度も何度も視線を振って遊んだ。こんなのは誰にも言わなかった気がする、友だちにも両親にも。一体眼球はどれくらいの速さで動かせるものなのか?あるとき新幹線に乗る機会に同じことをやってみたが、とうとう視線の回転速度は枕木(枕コンクリート板?)を見定めることは出来な…