今春の国会で「食料供給困難事態対策法」案が上程され、農業関係者の強い反対にもかかわらず、多数与党によって押し通され成立してしまった。農林水産委員会における池上甲一近大名誉教授による意見陳述(要旨、6月8日赤旗)を引用して、その問題点を明らかにしてみよう。 「本法案は第1条で、『世界の食料の需給及び貿易が不安定になっている』と認めています。だとすれば、最優先されるべき食料政策は国内生産の維持・増強ですので、本法案の必要性はきわめて低いと言わざるを得ません。▶ 本法案には致命的な欠陥がいくつもあります。最大の懸念は、日本国憲法第22条が規定する職業選択の自由、その中に含まれる営業の自由を侵害する恐…