とある町のお店の前に「ご自由にお持ちください」と書かれた箱があった。 バスケットは幾つかあって、その中には古いけれど、 未使用らしいお皿やお茶碗、お盆などが並んでいた。 飯茶碗はなかなか良いもので、廃業した専門店のもののように思われた。 制限がなかったからちょうどお茶碗が欠けていた我が家のためと、 親戚のためにと欲張って3枚づつ、合計9枚も頂いた。 少し、恥ずかしかったけれど、 ガラスの中のオフィスの人が「どうぞ、どうぞ」とほほ笑んでいる。 何て親切な人なのだろう。 ご飯茶碗を包んでいた新聞は昭和58年の日付のものだった。 その間ずっと倉庫に入っていたのか。 やっと日の目を見て役に立つ日がやっ…